キリスト教が英語に与えた影響
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Hi Everyone! It’s Nate.
最近テンプル騎士団についての本を読みました。
テンプル騎士団は、1099年の第一次十字軍によるエルサレム占領の約20年後に結成されたフランスの軍事騎士団でした。テンプル騎士団は、聖地(現在のレバノン、イスラエル、シリア、およびヨルダンの一部に相当する地域)で巡礼者を保護することを任務とするキリスト教の騎士団でした。
やがて、この騎士団は後の十字軍において最も重要な戦闘部隊の一つとなり、レバント地方におけるヨーロッパ勢力の防衛者としても活躍しました。
これは、実に興味深い歴史の一部ですね。テンプル騎士団についてもっと知りたかったら、こちらのリンクをクリックしてください。
さて、これをきっかけに、キリスト教と英語のつながりについて考えてみました。キリスト教は、西洋世界に最も大きな文化的影響を与えたものかもしれません。たとえ西洋の人々が特定の宗教に属していないと言ったとしても、キリスト教は彼らの伝統や倫理観などに影響を与え続けています。
そして、キリスト教が影響を及ぼしたもう一つの分野が言語です。英語も例外ではありません。実は、日常会話でよく使われるフレーズの中には、キリスト教に由来するものがたくさんあるのです。
今日は、そんな「キリスト教にルーツを持つ表現」をいくつか見ていきましょう。実は、この投稿のために調べるまで、僕自身もいくつかのフレーズがキリスト教に由来しているとは知りませんでした!
聖書に由来する慣用句と言い回し
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“By the skin of one’s teeth”(かろうじて/ギリギリで)
→ ほんのわずかな差で何かを成し遂げたり、危機を逃れたりすること。(『ヨブ記』19:20 に由来)- “I missed my flight by just two minutes, but luckily, I caught another one by the skin of my teeth.”
- 「飛行機にたった2分遅れてしまったけど、ギリギリで別の便に乗れたよ。」
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“A thorn in one’s side”(悩みの種/苦しみの原因)
→ 絶えず困らせる問題や人のこと。(『コリントの信徒への手紙 二』12:7 に由来)- “That noisy neighbor has been a thorn in my flesh for years.”
- 「あの騒がしい隣人は、何年も私の悩みの種になっているよ。」
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“Let he who is without sin cast the first stone”(最初に石を投げる)
→ 自分にも欠点があるのに、他人を厳しく非難すること。(『ヨハネによる福音書』8:7 に由来)- “Nobody is perfect, so before criticizing others, remember: ‘Let he who is without sin cast the first stone.'”
- 「誰も完璧ではないんだから、人を批判する前に『罪のない者だけが最初に石を投げよ』という言葉を思い出して。」
このキリストの言葉は聖書の有名なシーンから来ます。ある日、姦淫(不倫)を犯した女性が人々に連れられてきました。モーセの律法では、このような罪を犯した者は石打ちの刑に処されることになっていました。人々はイエスに「この女を石打ちにすべきか?」と問いかけました。
イエスはしばらく黙って地面に何かを書き、その後こう言いました。
「あなたがたのうち、罪のない者がまずこの女に石を投げなさい。」
すると、人々は一人ずつ立ち去り、誰もその女性を石打ちにはしませんでした。最後にイエスは彼女に、「私もあなたを罪に定めない。もう罪を犯さないようにしなさい」と諭しました。
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“The powers that be”(権力者/支配者層)
→ 社会や組織の中で権力を持つ人々。(『ローマの信徒への手紙』13:1 に由来)- “The powers that be have decided to increase taxes next year.”
- 「政府は来年、税金を引き上げることを決めた。」
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“Good Samaritan”(善良な人/困っている人を助ける人)
→ 困っている人を無償で助ける人。(『ルカによる福音書』10:25-37 に由来)- “A good Samaritan helped me change my tire when I was stranded on the highway.”
- 「親切な人が、高速道路で立ち往生していた私のタイヤ交換を手伝ってくれた。」
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“Reap what you sow”(蒔いた種を刈り取る)
→ 自分の行動の結果を自分で受け取ること。(『ガラテヤの信徒への手紙』6:7 に由来)- “He treated people poorly for years, and now no one is willing to help him. You reap what you sow.”
- 「彼は何年も人をぞんざいに扱ってきたから、今は誰も彼を助けようとしない。自業自得だよ。」
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“The writing on the wall”(不吉な前兆/破滅の予兆)
→ 何か悪いことが起こる兆し。(『ダニエル書』5:5-31 に由来)- “The company’s declining sales were the writing on the wall before it went bankrupt.”
- 「その会社の売上低下は、倒産前の不吉な兆候だった。」
- “Go the extra mile”(期待以上の努力をする/一層の努力をする)
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- → 求められている以上のことを進んで行う。(『マタイによる福音書』5:41 に由来)
- “She always goes the extra mile to ensure customer satisfaction.”
- 「彼女はいつも、お客様の満足のために期待以上の努力をする。」
キリスト教に関連する表現
- “God helps those who help themselves”(天は自ら助くる者を助く)
- “If you want to succeed, you have to work hard—God helps those who help themselves.”
- 「成功したいなら努力しなきゃね。天は自ら助くる者を助くんだよ。」
- “WWJD (What Would Jesus Do?)”(イエスならどうするか?)
- Before making a difficult decision, I always ask myself: WWJD?”
- 「難しい決断をする前に、私はいつも『イエスならどうするか?』と考える。」
- “God works in mysterious ways”(神の計画は人には分からない)
- “I didn’t get the job I wanted, but a better opportunity came up. I guess God works in mysterious ways.”
- 「希望していた仕事には就けなかったけど、もっと良いチャンスが舞い込んできた。神の計画は不思議だね。」
- “Jesus Christ!”(驚きや怒りを表す感嘆詞)
→ 驚き・怒り・困惑などの感情を強く表現するときに使われる感嘆詞。ただし、キリスト教にとって神聖な名前であるため、不敬に聞こえることもあるので注意が必要です。-
“Jesus Christ! I can’t believe how expensive this restaurant is!”
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「なんてこった!このレストラン、めちゃくちゃ高いじゃないか!」
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“Jesus Christ! You scared me!”
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「びっくりした!驚かせないでよ!」
この表現はカジュアルな会話や映画・ドラマでよく耳にしますが、敬虔なキリスト教徒の前では避けたほうが無難です。代わりに “Jeez” や “Geez” などの婉曲表現が使われることもあります。
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