シェイクスピアが生み出した日常英語表現

Hi Everyone, it’s Nate.
英語を学ぶ人であれば一度は耳にしたことがあるであろう「シェイクスピア」。彼は16世紀から17世紀初頭にかけて活躍したイギリスの劇作家・詩人であり、文学だけでなく英語そのものにも計り知れない影響を与えました。
実は、現在私たちが日常的に使っている多くの英語表現や単語は、彼の作品から生まれたものなのです。
今回はその中でも、日常会話に登場することの多い英語表現を7つ紹介し、それぞれの意味と例文、そして初出となった戯曲を紹介します。
1. Break the ice(緊張をほぐす)
初出作品: The Taming of the Shrew(じゃじゃ馬ならし)
意味:
初対面などでのぎこちない雰囲気や緊張を和らげる。
例文:
To break the ice, he told a funny story at the beginning of the meeting.
(緊張をほぐすために、彼は会議の冒頭で面白い話をした。)
2. Wild-goose chase(無駄な追いかけ)
初出作品: Romeo and Juliet(ロミオとジュリエット)
意味:
成功する見込みのない、無意味な追跡や努力。
例文:
I spent the whole afternoon on a wild-goose chase looking for that rare book.
(私はその珍しい本を探して、午後中無駄な追いかけをしていた。)
3. Heart of gold(金のように純粋な心)
初出作品: Henry V(ヘンリー五世)
意味:
非常に優しく、思いやりのある性格。
例文:
She may be tough, but she has a heart of gold.
(彼女は強気かもしれないが、心はとても優しい。)
4. Wear your heart on your sleeve(感情を隠さず表に出す)
初出作品: Othello(オセロー)
意味:
自分の感情を素直に人に見せること。
例文:
You could tell he was upset—he wears his heart on his sleeve.
(彼が動揺しているのは一目瞭然だった。彼は感情を隠さない人だから。)
5. In a pickle(困った状況にある)
初出作品: The Tempest(テンペスト)
意味:
困難で厄介な状況に陥っていること。
例文:
I’m in a pickle—I lost my wallet and my phone died.
(困ったことになった。財布をなくして、携帯も電池切れだ。)
6. Fair play(公正な扱い)
初出作品: The Tempest(テンペスト)
意味:
ルールを守り、公平であること。
例文:
Let’s have some fair play here—everyone should get a chance to speak.
(ここは公平にいこう。誰にでも発言の機会があるべきだ。)
7. Catch a cold(風邪をひく)
初出作品: Cymbeline(シンベリン)
意味:
風邪をひくこと。
例文:
Don’t forget your jacket or you’ll catch a cold.
(ジャケットを忘れないで。風邪ひいちゃうよ。)
今回ご紹介した表現は、シェイクスピアが生み出した数あるフレーズのほんの一部にすぎません。
「Break the ice」や「Heart of gold」など、私たちが何気なく使っているこれらの表現が、16〜17世紀の一人の劇作家の手によって考案されたというのは驚くべきことです。
文学の天才であると同時に、言葉の発明家でもあったシェイクスピア。彼の作品を読むことで、ただ英語を学ぶだけでなく、言葉の持つ歴史的・文化的背景に触れることができます。
これからも英語を学ぶ際には、ぜひこうした表現の“出どころ”にも注目してみてください。